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すこやか動物病院
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皮膚の病気

かゆみを起こす皮膚病

かゆみとは

「かゆみ」を訴えて来院されるケースがよくあります。動物の「かゆみ」を考えたとき、それは本当にかゆいのでしょうか? 「かゆみ」は本人がかゆいと言わない限りわからないものなのです。どういうことなのかちょっと考えてみましょう。

「手足をなめている」、「皮膚を引っかいている」、「体をこすっている」、こういった動物の行動を私たちは動物がかゆがっていると認識しています。もし仮に人が、パソコンを見ながら難しい顔をして頭をかいていたら、あるいは耳の後ろをかきながら「困ったなあ」なんて言っていたら、私たちはその人を見て「頭がかゆそうだな」とは思わないでしょう。動物も同じでかゆい時にはもちろん体をかきますが、それ以外にもかくことはあります。食事の後、就寝前、興奮後や驚いた時に気持ちを落ち着かせるために体を舐めたり、かいたりすることは正常であるかもしれません。さらに、いつも気持ちが満たされなかったり、イライラしたり、退屈だったり、不安だったりしている気持ちを舐めることや体をかくことで紛らわしているとしたら、これは「かゆみ」ではありませんね。つまり、「かゆみ」は自覚症状を話さない限りかゆいと断定できないのです。それゆえ、話すことのできない動物の「かゆみ」は診断が難しくなることがあります。動物において、いわゆる「かゆみ」を起こす病気は、感染症、生まれつきの体質、アレルギー、精神的要因による行動、栄養、発情・性ホルモン、腫瘍、あるいは代謝異常などがあり、原因がこれらの1つの場合もあれば、複数が合わさっている場合もあります。皮膚と精神的な関係は密接なものがあり、最近では動物の精神的要因による「かゆみ」や皮膚病も決して珍しいものではありません。

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かゆみ行動を起こす病気

感染症

最も多い原因となります。感染症には、細菌性、真菌性、寄生虫性があります。皮膚の感染症は湿疹の特徴的な形態で判断したり、病原体を見つけたり、時には投薬することで診断します。再発を繰り返す感染症や、なかなか治癒しない感染症や再発を繰り返す感染症の場合は原因が1つではなく、生まれつきの体質、アレルギー、精神的要因、栄養、発情・性ホルモン、腫瘍、代謝異常など要因が関与していることもまれではありません。

アトピー性皮膚炎

アトピーは生まれつきの体質のトラブルが皮膚に現れているもので、誰もが持っている体質の1つでありアレルギーとは違います。症状として、眼や口の周囲、耳、四肢の関節部、脇、内股、腹部、指の間などに、比較的幼少時から慢性の痒みがみられます。アトピー性皮膚炎かどうかを知るために血液中のIgE検査をすることもあります。大事なことは、アトピー体質を悲観的に考えたり完治させようとしたりするのではなく、上手につき合う方法や管理していく方法をみつけていくことです。そのためには、以下の3つのポイントがあります。

1.皮膚を強くする
個体にあったスキンケア(シャンプーやブラッシングなど)を行いましょう。同時に耳も悪くなることが多いので、時々観察したり、ケアをしたりすることが必要です。また、皮膚が弱いことによって感染症を起こしやすいので、予防と早期治療を心がけることが大切です。重症例では体質改善のための注射を使用することもあります。
2.強いかゆみは早期に和らげる
かゆみは非常に苦痛でストレスのかかるものです。そのかゆみを放置しておけばさらに悪化するかもしれません。アトピー性皮膚炎の場合はステロイド剤が有効です。副作用を気になさる方が多いと思いますが、最初の数日は毎日使用する程度で、落ち着いてくれば隔日で投与します。こうすることで副作用を回避します。補助療法として抗ヒスタミン剤や脂肪酸製剤を使うことがあります。また、かゆみが一部の皮膚にのみ現れる場合は外用剤を使用することもあります。
3.かゆみを悪化させたり、助長させたりする原因を取り除く
ノミやダニなどの外部寄生虫は予防することはとても大切です。アトピー性皮膚炎と関係なさそうですが、かゆみの引き金になったり、重症化させたり、アレルギーの原因にもなったりしますので注意してください。アレルギー専用フードや除去食を使用する事もよいかもしれません。これらのフードによって、体質の改善が得られ、症状が軽快することがあるので個体にあった食事を見つけていくことは重要です。
精神的な側面も注意しなければなりません。心と体には密接な関係があり、精神的ストレスはアトピー性皮膚炎を悪化させます。皮膚の健康を考える時には精神的な健康も同じように考えなければなりません。
夏期の高温多湿、冬期の暖房、発情などにより悪化することがありますので、環境を工夫したり、投薬や医療処置を行ったりすることで上手に管理していきましょう。

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アトピー以外の生まれつきの体質

幼少時から皮膚のトラブルが多く、治癒することはありません。ですから、普段からのスキンケアや付き合い方が必要になります。皮膚の特徴として大きく4つに分かれます。

1つ目は、油っぽい、べとつくといった症状で、脂漏症と呼ばれます。脂漏臭と呼ばれる独特なにおいがあり、黄色味を帯びたフケが認められます。乾燥から身を守るために皮脂腺を発達させてきた種に多く発症し、日本のような高温多湿の気温に適さないために悪化すると考えられます。犬ではシーズー、ラブラドールレトリバー、コッカースパニエル、ウェスティーなどに多く、猫でもペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアーなどにみられます。油溶解性のシャンプーで洗うと症状がよくなります。感染症が合併することも多く、時には抗真菌剤、抗生物質、ステロイドなどの薬を投与することもあります。

2つ目は、フケが多くなるいわゆるフケ症で、角化異常ともいわれます。フケ症には生まれつきと、そうでないものがあり、感染症、脂漏症、内分泌異常、気候の変化、不適切なスキンケアなどでも起こります。角化を押さえるシャンプーと保湿剤によるスキンケアが有効です。かゆみが重度な場合は投薬や外用薬による治療を行います。

3つ目は、多汗症です。文字通り汗がたくさん出てしまうために、被毛が過剰にしっとりあるいは濡れてしまうことが多いのが特徴です。脇、内股、首から腹部にかけて、体温上昇、興奮、緊張することによって生じやすくなります。シャンプーによるスキンケアは一時的に効果がありますが、脂漏症のように持続しないのが特徴です。吸湿性の生地で作られた洋服を着用することで、生活の質の改善が得られたとの報告がありますので試みるのもよいでしょう。

4つ目は、しわが多い、皮膚が異常に伸びる、あるいは皮膚が脆弱であるエーラス-ダンロス症候群と呼ばれるものです。皮膚の土台となるコラーゲンの形成に異常があるために起こります。コラーゲンは皮膚だけでなく関節や血管など多くの部位に存在するので、皮膚症状以外に異常を認めることがあります。犬では、ビーグル、ダックス、ボクサー、セントバーナード、トイ・プードルなどに、猫ではヒマラヤンに多くみられます。治療法が無いので、症状に合わせたスキンケアや皮膚への物理的な刺激を避ける工夫が必要になります。

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アレルギー

アレルギーは、本来生体にとって有利に働くはずの免疫反応が、不利に働き炎症を起こすもので、その反応が皮膚に現れた場合をアレルギー性皮膚炎といいます。犬と猫のアレルギー性皮膚炎には、ノミ、疥癬、食物、薬物、じん麻疹があり、ごくまれにホルモン性過敏症、接触性皮膚炎があります。一般的にアレルギー性皮膚炎ではステロイドはあまり効かないか、効いても限定的であり非常に強いかゆみを訴えます。治療は、アレルギーの原因となるアレルゲンを回避することです。また、アレルギーについて非常に多くの誤解が生じていますので、下記の項目を読んでいただき整理してみてください。

・また、皮膚病になった。これってアレルギー?
多くの場合は、アレルギーではありません。前述のようにアレルギーのかゆみは免疫が応答しているものなので、劇的なかゆみを訴えます。また、アレルゲンを回避しない限り強いかゆみは続きますので、季節性のアレルゲンによるアレルギー以外は通常治ったり、再発したりということはありません。皮膚のかゆみで一番多い原因が感染症で、感染症を繰り返す要因として、生まれつきやアトピーなどの体質が関与していたり、精神的要因や代謝異常が関与していたりすることがあります。
・アレルギー検査は血液検査でわかる?
いわゆる血液でのアレルギー検査では、一般的に血液中のIgEというものを検査しています。このIgEが特定の物質に対して高値だと陽性というわけです。残念ながら、現在のところIgEとアレルギーについて項目にもよりますが、一致した関係性は証明されていません。しかし、IgE検査の結果を正しく解釈できれば非常に有用なものになります。
  1. ① ハウスダストに対してIgEが陽性となった場合の解釈:
    アトピーの場合は特定のアレルゲンに対し非常に高率で陽性となります。ですから、アレルギーの診断というより、アトピーを診断するためにこのIgE検査を行うことがあります。
  2. ② 花粉に対してIgEが陽性となった場合の解釈:
    花粉アレルギーかもしれないし、そうでないかもしれません。大事なことは、IgEが陽性である花粉の時期に、皮膚症状が悪化するようであれば、その花粉によるアレルギーは考えられるでしょう。しかし、IgEが陽性である花粉の時期にかゆみの症状がなければ、たとえIgEが陽性であってもアレルギーとはいえないでしょう。大事なことは検査結果を重視するのではなく、その個体の症状をみてあげることです。
  3. ③ ノミに対してIgEが陽性となった場合の解釈:
    ノミアレルギーの場合はIgEが陽性となります。しかし、IgEが陽性だったからノミアレルギーとはいえません。しかし、ここで注意が必要です。ノミのIgEが陽性ということは、今までにノミの吸血を受け続けた結果を示しています。例え、現在ノミアレルギーがなくても今後発症する可能性がありますので、ノミやダニの防除をしてあげることは極めて重要なことです。
  4. ④ 食物に対してIgEが陽性となった場合の解釈:
    食物アレルギーとは断定できませんが避けたほうが賢明かもしれません。食物アレルギーではIgEが高値のこともありますが、7割はIgE が上昇しないともいわれています。IgEが高値の時は食物アレルギーのこともあるし、そうでないこともあります。食物アレルギーの場合はリンパ球反応試験という方法も試みてもいいでしょう。IgEやリンパ球反応試験が高値のものを食べたときに症状が発症あるいは悪化する場合はその食物がアレルゲンである可能性が高いと考えられます。通常、食物アレルギーは除去食試験という方法で診断しますが、IgEやリンパ球反応試験を行うことで除去食試験の一助となります。

現在の獣医学では、アレルギーの検査として血液検査は絶対的なものではなく参考とすべきものです。「結果が陽性=アレルギー」と考えるのではなく、その本人のかゆみの症状とIgEやリンパ球陽性反応の陽性の物質が一致しているかどうか観察することが重要です。また、IgE検査は、アトピーでは特定のアレルゲンに対し陽性となるのでアトピー性皮膚炎の場合に非常に有用な診断として活用できます。

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精神的要因による行動

皮膚症状と精神というと何も関係性がないと思うかもしれません。ましてや、動物が?と思うのも当然だと思います。しかし、人間のストレス社会において動物も決して例外ではありません。飼い主との関係、抑圧された生活、不規則な生活、動物同士の関係などがストレスとなって、かゆみ行動や自傷行動を起こすことがあります。また、皮膚が弱い体質を持っている個体では、精神的ストレスが皮膚症状を悪化させることがあります。動物の身体的な健康だけでなく、心の健康についても考える必要があります。

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栄養

皮膚と被毛はタンパク質でできています。健康な皮膚と被毛を形成するためには、良質なタンパク質が必要です。すなわち、良質でおいしい食事を心がけることが重要です。高価な食事=良質とは限りませんが、あまりにも安価なフードや、おやつ、あるいはジャーキーが主体である食事は皮膚や被毛のみならず、健康までも損なうかもしれません。当然、皮膚が健康でなければ外部からの刺激や病原体に対して弱くなり、トラブルを起こしやすくなります。

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発情・性ホルモン

雌では卵巣自体の機能異常があって皮膚症状を起こす場合と、他のホルモン疾患によって卵巣機能異常が皮膚症状を起こす場合があります。まれに発情に伴い痒みの症状を訴えたり悪化したりする場合があります。雄では精巣腫瘍によって皮膚症状を起こす場合があります。しかし、現在のところ他のホルモンとの関係や性ホルモンがどのようにして皮膚症状を起こしているかが不明な点が多いため、検査で診断できないことが多いです。そのため、卵巣や精巣を摘出して皮膚症状が改善した場合にはじめて性ホルモンが関与した皮膚病と診断することができます。

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腫瘍、代謝異常

皮膚にできた腫瘍は外観の異常から、日常において飼い主さんが比較的認識しやすいものといえます。しかし、内臓の腫瘍や異常によって、代謝異常が起こりかゆみや脱毛などの皮膚症状を起こすことがあります。なかなか治癒しない皮膚病の場合は、皮膚の病気であっても血液検査、レントゲン検査、超音波検査、あるいは内分泌(ホルモン)検査などを行うことで、内蔵の異常を検査することがあります。

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脱毛

脱毛の原因は大きく分けて生まれつきのものと、そうでないものがあります。生まれつきのものは、若いうちに発症し、黒い被毛に一致して脱毛が起こったり、一定領域に限局して脱毛が起こったりします。 生まれつきでない場合は、感染症や内科疾患に続いて起こったりします。「脱毛なのに」と思っても、肝臓や腎臓の異常から脱毛が起こったり、内分泌疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、性ホルモン失調)から脱毛が起こったりしますので血液検査やホルモン検査、画像診断などを行なうことがあります。

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皮膚科診療について
当院では皮膚科診療にも力を注いでおります。皮膚科診療では世界的にも有名でありますASCの永田先生に約3年にわたって講習と実習指導を受てまいりました。

右の証書は、実習における修了書です。修了書にも書かれておりますように、これはあくまで皮膚科診療の入り口であり、これからもいっそうの努力が必要になります。今現在も講習会に参加し、新しい知識や治療法は積極的に取り入れています

また、専門医に受診希望の方は、当院からのご紹介も可能です。