幼少時から皮膚のトラブルが多く、治癒することはありません。
ですから、普段からのスキンケアや付き合い方が必要になります。皮膚の特徴として大きく4つに分かれます。
1つ目は、油っぽい、べとつくといった症状で、脂漏症と呼ばれます。
脂漏臭と呼ばれる独特なにおいがあり、黄色味を帯びたフケが認められます。
乾燥から身を守るために皮脂腺を発達させてきた種に多く発症し、日本のような高温多湿の気温に適さないために悪化すると考えられます。
犬ではシーズー、ラブラドールレトリバー、コッカースパニエル、ウェスティーなどに多く、猫でもペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアーなどにみられます。
油溶解性のシャンプーで洗うと症状がよくなります。
感染症が合併することも多く、時には抗真菌剤、抗生物質、ステロイドなどの薬を投与することもあります。
2つ目は、フケが多くなるいわゆるフケ症で、角化異常ともいわれます。
フケ症には生まれつきと、そうでないものがあり、感染症、脂漏症、内分泌異常、気候の変化、不適切なスキンケアなどでも起こります。
角化を押さえるシャンプーと保湿剤によるスキンケアが有効です。
かゆみが重度な場合は投薬や外用薬による治療を行います。
3つ目は、多汗症です。
文字通り汗がたくさん出てしまうために、被毛が過剰にしっとりあるいは濡れてしまうことが多いのが特徴です。
脇、内股、首から腹部にかけて、体温上昇、興奮、緊張することによって生じやすくなります。
シャンプーによるスキンケアは一時的に効果がありますが、脂漏症のように持続しないのが特徴です。
吸湿性の生地で作られた洋服を着用することで、生活の質の改善が得られたとの報告がありますので試みるのもよいでしょう。
4つ目は、しわが多い、皮膚が異常に伸びる、あるいは皮膚が脆弱であるエーラス-ダンロス症候群と呼ばれるものです。
皮膚の土台となるコラーゲンの形成に異常があるために起こります。
コラーゲンは皮膚だけでなく関節や血管など多くの部位に存在するので、皮膚症状以外に異常を認めることがあります。
犬では、ビーグル、ダックス、ボクサー、セントバーナード、トイ・プードルなどに、猫ではヒマラヤンに多くみられます。
治療法が無いので、症状に合わせたスキンケアや皮膚への物理的な刺激を避ける工夫が必要になります。